上の写真は、店内に飾っている栗の木です。一見普通の栗の木のように見えますが、実は工芸菓子といい、すべて砂糖で作られています。
初めてご覧になる方は、ただの栗の木が置いてあると勘違いされ、工芸菓子であることを説明すると、しげしげと眺めておられます。
この栗の木は、先代が昭和53年に作成しました。
通常、工芸菓子は湿気に弱く、湿度と直射日光を避けた密閉容器で保存されます。そのような状況下でも、通常はもって1年程度、それ以降は、形が崩れ、色褪せていき、元の材料である砂糖の結晶化で白くなってしまいます。
当初、葉は緑で栗の実も青く作られておりました。年月が経つに連れ、緑色だった葉は、茶色く枯れるように色づき、栗の実も、まるで熟していくかのように、茶色が濃くなっています。本当の植物のように、形そのままで、枯れていくように姿を変えているのです。
「職人は技術でものを作るのではない。心で作るのだ」と、先代はよく私に言いました。
この栗の木を見るたびに、その言葉が思い起こされます。
技術の先にある、心とは何かを問い続けながら、和菓子作りに向き合いつづけています。
月ヶ瀬のこだわり

小豆
生産量が少なく、
非常に希少な丹波大納言小豆。
大粒で、色艶が鮮やか。
甘みが強く、風味が豊かで、
皮が薄く口当たりがよいです。

水
先代が、和菓子を作るのに最適な水を探し、
ようやくたどり着いた水瀬川。
全国名水百選「離宮の水」にも
選ばれている水無瀬川の水は、
月ヶ瀬和菓子のすべての土台です。
素材がよくても、水が悪ければ
すべてが台無しになります。

鬼ザラメ
ショ糖の比率が99.9%。
砂糖の雑味を極限まで取り除くことで、
純粋な甘さと素材の風味を
邪魔せずに引き出します。
製造風景
月ヶ瀬の和菓子は、素材と向き合い、
ひとつひとつ丁寧な手仕事から生まれます。
日々の製造風景をご紹介します。